外科
主な対象疾患
上部消化管疾患
食道がん、胃がん、GIST、胃十二指腸潰瘍など
下部消化管疾患
大腸がん、GIST、家族性大腸腺腫症、クローン病、潰瘍性大腸炎、結腸憩室炎、虫垂炎
痔核、痔瘻、直腸脱など
肝臓・胆道・膵臓・脾臓疾患
原発性肝がん、転移性肝がん、胆嚢がん、胆管がん、膵がん、膵管内乳頭粘液性腫瘍、
脾腫、胆石症、胆道ジスキネジーなど
乳腺・内分泌疾患
乳癌、乳腺良性腫瘍、バセドウ病など
呼吸器疾患
原発性肺がん、転移性肺がん、縦隔腫瘍、気胸、膿胸など
その他
鼠経ヘルニア(成人・小児)、腹部動脈瘤、下肢静脈瘤など
内視鏡外科手術(胸腔鏡・腹腔鏡)>>内視鏡外科手術センター
概要
診療内容
食道がん・胃がんに対しては病期や年齢に合わせた治療法を選択しています。
早期の食道がんに対しては、まず消化器内科で内視鏡的粘膜下層剥離術を行います。進行した食道がんに対しては、現在、最も勧められている治療法は、はじめに薬物療法を行って腫瘍を縮小させた後、手術で腫瘍を含めた食道とリンパ節を切除する方法です。当科では2012年以降、患者さんの負担を軽減する目的で胸部操作を胸腔鏡で、腹部操作を腹腔鏡で行う低侵襲手術を行っています。頚部食道がんは耳鼻科と合同で手術を行います。体力のない方や、希望される方には、強度変調放射線治療(IMRT)を抗がん剤と併用して行っています。
早期の胃がんに対しては、まず消化器内科で内視鏡的粘膜下層剥離術を行います。内視鏡的治療が勧められない方に対しては、当科では2008年以降、完全腹腔鏡手術を導入して体の負担を減らす手術を行っています。近年増えている胃の入り口近く(食道胃接合部)にできた胃がんに対しても、腹腔鏡で胃をできるだけ残す手術(腹腔鏡下噴門側胃切除)を行い、後遺症の軽減に努めています。進行した胃がんに対しても、状況に応じて腹腔鏡手術など体の負担の少ない術式を選択しています。
大腸がんに対しては病期や年齢に合わせた治療法を行っています。早期の大腸がんに対しては、まず消化器内科で内視鏡的治療を行っています。進行がんの方に対しては、当科では2006年以降、腹腔鏡手術を導入して体の負担が少ない手術を行っています。器械と技術の進歩により、これまでは人工肛門となったような方でも、肛門機能を温存した術式(括約筋間直腸切除)が可能となるケースが増えています。人工肛門を造設された方に対しては、皮膚・排泄ケア認定看護師とともに定期的にストーマ外来でケアしています。膀胱や前立腺、子宮、卵巣などに広がったがんに対しては、泌尿器科、婦人科と合同で手術を行っています。
炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎など)の方に対しては、まず消化器内科で薬物治療を行い、内科的治療が限界となった場合には腹腔鏡手術で負担の少ない手術を行っています。肛門疾患(痔核・痔瘻・直腸脱など)も診療しています。
虫垂炎や腹膜炎などの緊急手術や腸閉塞の手術なども、適応があれば腹腔鏡手術で行い、合併症を減らして早期社会復帰を目指しています。
肝臓・胆道・膵臓の悪性疾患は専門性の高い検査・治療が必要であり、根治術は難易度が高いとされています。当院ではCT、MRI、ERCP(逆行性胆管膵管造影)、EUS(超音波内視鏡)、血管造影などの検査を駆使して正確な進展度診断を行い、専門性の高い技術で過不足のない手術を行っています。また、患者さん個々の状況に合わせて薬物療法や放射線治療、ステント治療など最適な治療を行っています。
胆石症、胆嚢ポリープ、脾腫などに対しては、腹腔鏡手術で体の負担が少ない手術を行っています。急性胆嚢炎に対しては、早期に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行って早期社会復帰を目指しています。
乳がんに対しては、乳房温存手術を第一選択とし、センチネルリンパ節生検を行い、可能な限り腋窩リンパ節郭清を省略しています。術後補助療法としての放射線治療や薬物療法は、入院・外来共に対応しております。乳腺専門医1名とマンモグラフィ読影資格をもつ外科医・放射線科医で協力して診断し、患者さんの状態に応じた適切な医療を提供するように努めています。
肺がんに対しては、呼吸器内科医・放射線科医と連携して早期発見・早期治療を行うことで完治を目指しています。手術治療が必要な肺がんに対しては、従来の開胸手術では負担が大きいため、当院では完全胸腔鏡手術を導入して根治切除を行い、患者さんの負担軽減、早期回復に努めています。手術対象外の方には、個々に合った薬物療法を見つけることが重要となっています。近年、肺がんに有効な抗がん剤、分子標的薬、免疫療法は飛躍的に増えており、専門性の高い診断で最適な治療法を行っています。
縦隔腫瘍も内視鏡外科手術で切除しています。自然気胸や膿胸などの良性疾患に対しては、まずドレナージによる保存的治療を行い、再発の恐れがある方には胸腔鏡手術で早期社会復帰を目指し、再発の少ない方法を工夫して行っています。
近年、がん薬物療法は、抗がん剤・分子標的薬・免疫療法など目覚ましい進歩を遂げています。当院では定期的にキャンサーボードを開き、がん治療認定医・がん化学療法認定看護師・がん薬物療法認定薬剤師などによるチーム医療で、患者さんにとって効果的かつ副作用の少ない最適な治療を選んで行っています。腫瘍に伴う症状や、吐き気、口内炎、食欲不振、皮膚障害などの副作用に対しては、緩和ケア医、口腔外科医、皮膚科医、管理栄養士、理学療法士、作業療法士などが介入して生活の質(QOL)を保てるように努めています。また、外来化学療法室や薬物療法専門病棟を整備して、患者さんのライフスタイルにあった方法で治療しています。
主に下肢静脈瘤の診療を行っています。下肢静脈瘤に対しては手術療法以外に保存療法も行っています。
鼠径ヘルニア(脱腸)、腹壁ヘルニアなどに対しては、ご希望に応じて腹腔鏡手術を行っております。小児鼠径ヘルニアのお子さんに対しては反対側のかくれたヘルニアも同時に治療できる腹腔鏡手術を2泊3日で行っています。
嚥下障害や経口摂取困難な方には経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を施行し、NST(栄養サポートチーム)外来で定期的にフォローしています。
ストーマ外来
第2・第4火曜日午後
担当医;山中直樹(ストーマ認定士)
皮膚・排泄ケア認定看護師;柳井幸恵、岩本淑子、江村真弓
NST外来
第1・第3木曜日午後
担当医;森松克哉
摂食・嚥下障害看護認定看護師;吉岡慶美
毎日の外来でマンモグラフィ読影認定医師が診察しています。
紹介状をお持ちの場合は予約外来(月・火・木・金 午前中)もご利用ください。
治療実績
《 当科の特徴 》
当外科は、手術を行なうだけでなく、治療方針の診断・決定や、がん薬物療法、栄養管理など外科医が
必要とされる場面に多岐にわたって関わっていくことを基本姿勢としています。
《 がん診療 》
がん診療においては、診断から治療、再発時の対応、ターミナルケアが継続した一連の治療であるという
理念で、外科・内科・放射線科・緩和ケア科が協力して診療し、個々の患者さんに最善の医療を提供できる
よう努力しております。また当院は、看護師や薬剤師、管理栄養士など経験豊富なスタッフに恵まれています。
治療内容に対する疑問だけでなく、ライフスタイルや精神的金銭的な悩みなどもご相談ください。チーム医療で
患者さんとご家族を支えていきます。
《 内視鏡外科手術 》
手術においては、内視鏡外科手術を導入して体の負担の少ない手術を積極的に行っています。内視鏡外科技術
認定医を中心として安全で合併症が少ない、尚且つ質の高い手術に努めています。また、耳鼻咽喉科・婦人科・
泌尿器科とも連携を密にしており、臨機応変な手術ができる強みもあります。
医師紹介
亀岡 宣久 副院長・第一外科部長
日本外科学会;専門医
TNTC修了(NSTラウンドドクター)
佐々木 暢彦 第二外科部長
日本外科学会;専門医
日本救急医学会;認定ICLSコースディレクター
日本乳がん検診精度管理中央機構;読影医
黒木 英男 呼吸器外科部長
日本外科学会;専門医
日本乳がん検診精度管理中央機構;読影医
TNTC修了(NSTラウンドドクター)
山中 直樹 内視鏡外科部長
日本外科学会;専門医、指導医
日本消化器外科学会;専門医、指導医
日本乳がん検診精度管理中央機構;読影医
日本がん治療認定医機構;がん治療認定医
日本内視鏡外科学会 技術認定医(胃)
消化器がん外科治療認定医
ストーマ認定士
森松 克哉 第三外科部長
日本外科学会;専門医
日本消化器外科学会;専門医、指導医
日本乳がん検診精度管理中央機構;読影医
TNTC研修修了(NSTラウンドドクター)
消化器がん外科治療認定医
藤井 昌志 外科副部長
日本外科学会;専門医
日本消化器外科学会;専門医
消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構;がん治療認定医
鬼塚 哲 外科副部長
日本外科学会;専門医
日本乳がん検診精度管理中央機構;読影医
リンパ浮腫研修修了(E-LEARN)
中条 皓介 外科医師
外来診察担当表
教育・研究活動
学会認定施設
日本外科学会専門医制度修練施設
日本消化器外科学会専門医修練施設
日本乳癌学会関連施設認定
日本胃癌学会認定施設B
教育・研究会
消化器合同カンファレンス
消化器キャンサーボード
内視鏡外科ビデオカンファレンス
乳腺キャンサーボード
地域NSTプロジェクト
NST勉強会
ICLS
JPTEC