腎臓
主な対象疾患
概要
慢性腎臓病(CKD)や急性腎障害(AKI)を含む腎疾患の診断と治療を行っています。CKDは、検尿異常・慢性腎不全・末期腎不全(透析療法、移植)などにステージ分類されます。早期のステージからの治療介入で、末期腎不全への進展を予防し、生命予後を改善することが知られています。腎不全が進行した場合は、ご本人・ご家族の希望に沿って血液透析や腹膜透析を導入したり、腎移植希望がある場合には腎移植可能施設への紹介を行っています。重症AKIに対しては臨時透析、必要に応じて持続型血液濾過透析(CHDF)を行っています。血漿交換療法、エンドトキシン吸着療法(PMX)、白血球除去療法などの体外循環を伴う治療を各科と協力して行っています。本邦、特に山口県は腎臓専門医が少ないため、かかりつけ医の先生方と病診連携を密に行い、併診させて頂いています。透析管理については泌尿器科と協力し透析センターでの管理を行っています。
・検尿異常に対する腎生検
・慢性糸球体腎炎に対しての治療
・CKDの教育入院や、腎臓病療養指導士による指導
・常染色体優性多発性嚢胞腎に対してトルバプタン(サムスカⓇ)内服導入
・透析療法(血液透析、腹膜透析)の導入
・腎移植希望者の移植可能施設への紹介
・血液透析に必要な内シャント造設術、上腕動脈表在化術、長期カテーテル留置術、経皮的血管形成術(PTA)等の手術
・腹膜透析に必要な腹膜透析チューブ挿入術
・透析患者の入院治療中の透析
実績
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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経皮的腎生検 | 13 | 9 | 14 | 14 |
内シャント造設術 | 28 | 30 | 18 | 14 |
長期カテーテル留置 | 2 | 1 | 3 | 4 |
上腕動脈表在化術 | 1 | 6 | 3 | 2 |
PTA | 28 | 46 | 54 | 87 |
他血液透析関連手術 | 3 | 3 | 2 | 3 |
血液透析導入 | 15 | 14 | 13 | 6 |
腹膜透析導入 | 4 | 3 | 3 | 1 |
腹膜透析関連手術 | 6 | 10 | 9 | 4 |
CHDF・PMX | 3 | 0 | 3 | 3 |
臨時透析 | 3 | 2 | 2 | 5 |
血漿交換 | 1 | 2 | 9 | 6 |
トルバプタン導入 | 2 | 0 | 1 | 1 |
外来
蛋白尿、血尿、腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全等の方を主に診療しています。
新患外来は金曜日以外としておりますが、状況に応じて金曜日も対応しております。
初診の方は、採血や腹部エコー検査など、絶食が必要な検査を行うことがありますので、できましたら朝食を摂らずにお越しください。
入院
外来と同様に蛋白尿、血尿、腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全などの方を主に診療していますが、内科一般の患者さんも入院しておられます。
入院期間を短縮するため、精密検査などは可能な限り、外来で行っています。教育入院は約8日間で、入院中に腎教育と栄養指導等を受講して頂きます。
特に腎炎やネフローゼ症候群など、経皮的腎生検が必要な方は約10日間の入院が必要です(治療期間を除く)。
体への負担が大きい検査ですが、安全を第一に考えた検査を行っています。
透析療法
当院では透析センターとして、内科(腎臓)と泌尿器科が合同で血液透析患者さんの診療を行っております(腹膜透析の方は泌尿器科外来で当科および泌尿器科で診療)。
(月)(水)(金)午前の部(AM 9:00~)と午後の部(PM 14:30~)、(火)(木)(土)午前の部(AM 9:00~)の3クールで行っており、4時間透析が中心です。
スタッフは内科(腎臓)5名と泌尿器科医師4名に加えて専任看護師9名と臨床工学技師9名が透析センターを担当します。旅行中などの臨時透析も受け付けています。電話(代表番号)を通して透析室にご連絡ください。
腎疾患のなかには急性腎不全のように進行が早く、重篤な状態になることが多い疾患もあり、治療開始時期によって予後も異なってきます。
ご紹介頂く先生方におかれましてはご遠慮なく、電話で結構ですのでいつでもご相談ください。
腎疾患に対する検査もほとんどが可能ですので、セカンドオピニオンとしてもご利用ください。
医師紹介
出口 孝史 腎臓内科部長・透析センター長
日本内科学会:認定内科医、総合内科専門医
有田 ゆい 腎臓内科副部長
日本内科学会:認定内科医、総合内科専門医
日本腎臓学会:腎臓専門医、指導医
臨床研修指導医
NST医師・歯科医師教育セミナー修了
濵小路 隆史 腎臓内科医師
岩村 成蕗 腎臓内科医師
堤 香菜子 腎臓内科医師