整形外科
対象疾患
関節痛、腰痛、手足の痛み・しびれ、けが等、日常生活や仕事、スポーツに支障をきたす運動器の障害を対象としています。具体的な対象疾患としては変形性膝関節症、股関節症、変形性脊椎症、腰部脊柱管狭窄症など加齢に伴う変性疾患、膝の前十字靱帯損傷、半月板損傷などのスポーツによる障害、四肢の骨折や外傷、関節リウマチ、骨粗鬆症、骨軟部腫瘍などを治療しています。
当科では手術治療を中心とした急性期医療を主体としており、変形性関節症に対する人工関節置換術(膝関節、股関節、肩関節、肘関節)・骨切り術(膝における高位脛骨骨切り術など)、膝関節における関節鏡手術(十字靱帯再建術、半月板縫合切除術など)、骨折外傷の手術(高齢者の大腿骨頸部骨折、手関節骨折、スポーツや労務災害による骨折など)を積極的に行っています。
概要
人が健康な生活を営むためには、立つ、歩く、物を持つなど自分の体を自由に動かすことが必要です。整形外科では骨・関節・筋肉・脊髄・神経などの運動器における疾患、外傷を診療し治療しています。
整形外科6名(日本整形外科学会専門医3名)の体制で救急外傷、慢性疾患に対応しています。症例により十分検討を重ねた上で、患者様に最善の治療法を選択し、早期の日常生活への復帰を念頭において診療リハビリを行っています。病床数は55床で年間約700症例近くの手術を行っています。
近年、整形外科で治療される患者様の高齢化が進んでいます。高血圧、心臓病、糖尿病など生活習慣病を合併されている方も多い傾向にあります。手術や治療を行う際にはこれらの合併症を考慮し治療を進めなければなりません。当院が総合病院であることで、内科など他科との連携をとりながら治療を行える利点があり、患者様に対して安心かつ安全な医療を提供することができます。
診療圏は山口市内の患者さんが主ですが、阿東徳佐や徳地、萩や津和野、美祢などからの患者さんも多く、広域から多くの患者さんが受診されています。
医師紹介
城戸 秀彦 第一整形外科部長
専門分野; |
膝関節外科、人工関節、関節再建外科、 関節鏡視下手術(前十字靭帯再建、半月板縫合) |
所属学会; |
日本整形外科学会:専門医、スポーツ医、リウマチ医、 運動器リハビリテーション医 日本人工関節学会:認定医 日整会臨床研修医指導医 |
(平成4年 九州大学 整形外科入局) |
加茂 健太 第二整形外科部長
専門分野; | 関節外科(股)、リウマチ(※リウマチ外来の詳細はこちら) |
所属学会; | 日本整形外科学会;専門医 日本リウマチ学会;評議員、指導医 |
(平成19年 九州大学 整形外科入局) |
原口 明久 整形外科副部長
専門分野; | 整形外科 外傷、足の外科、リウマチ(※リウマチ外来の詳細はこちら) |
所属学会; | 日本整形外科学会:専門医 |
久我 茂誠 整形外科医師
専門分野; |
整形外科一般 |
河村 正太郎 整形外科医師
専門分野; |
整形外科一般 |
新庄 恵英 整形外科医師
専門分野; |
整形外科一般 |
外来診察担当表
>>外来受付時間・担当医師はこちらをご覧ください。
治療実績
2023年度 手術症例数 | |
人工関節置換術 101例 |
膝関節 54例 股関節 40例 その他 7例 |
高位脛骨骨切術 | 17例 |
関節鏡下手術 115例 |
膝関節半月板切除縫合等 103例 前十字靭帯再建術 12例 |
大腿骨頸部骨折 66例 |
人工骨頭置換術 61例 骨接合術 5例 |
骨折手術その他 | 359例 |
総数 658例 |
特色、専門分野について
当科では地域の基幹病院として整形外科一般の疾患を対象として治療を行ない、基本的に投薬や保存加療で治らない慢性疾患や外傷骨折の患者様に手術を行っています。高齢者の変形性膝関節症など関節疾患の治療には力を入れており、また日本リウマチ学会の専門医による関節リウマチの診療も行っています。
当科では関節外科専門医による変形性膝関節症、股関節症に対する質の高い人工関節手術、骨切り手術を安全かつ積極的に行える体制が整っており、患者さんの病状に応じた適確な手術法の判断と、精度の高い手術を行うことで、手術後の長期にわたる痛みのない生活の獲得を目指しています。
【人工膝関節置換術について】
人工膝関節置換術は加齢に伴う変形性膝関節症などの患者様で手術が必要な場合に行います。人工関節とは軟骨の摩耗や破壊などによって悪くなった関節の表面を削って、金属やポリエチレンなどの人工材料に置き換えて痛みを軽減し、日常生活を快適に過ごせるように行う手術です。
人工関節の説明はこちら
(ジョンソンアンドジョンソン デピュー・ジョイント事業部のサイト)
当科は手術前から手術、手術後にわたり、人工関節のエキスパートとしての役割を十分に果たすべく、日々診療を行っています。
近年人工膝関節手術は術後の患者満足度を重要視する傾向が強くなってきています。術後の満足度を得るには、人工関節の専門的な考えに基づく正確な手術手技が不可欠であり、当科では正確な人工関節の設置のためにナビゲーションシステムを応用した精度の高い人工膝関節置換術を行っています。
また術後は日常生活動作の指導やリハビリ、退院後の生活の不安に対するアドバイスなども必要です。退院後も人工材料(インプラント)のゆるみや摩耗など、不具合の発生を予見する為にも、年に1-2回定期的に検診をする必要があります。当科では患者さんの定期的な検診を行うことで、退院後の生活が安定かつ安心して生活していけるようサポートしています。多くの患者さんは人工関節手術後の満足度は高く、軽い農作業やウォーキングも出来るようになっています。(グラフ参照)
術後の疼痛緩和についても、麻酔科の協力で神経ブロックなどの処置を導入することで痛みが軽減できるよう工夫を心がけています。
【骨切り手術、関節鏡手術について】
人工関節だけでなく、患者さんの病状や年齢、活動性を考慮した上で、関節を温存する骨切り手術を選択する症例も多く行っています。術後のスポーツ活動や農作業などの重労働を望まれる中高年者には骨切り手術を選択することもしばしばです。その他スポーツ外傷による膝十字靱帯損傷に対する関節鏡を用いての靭帯再建手術や、半月板損傷に対する縫合術など専門性の高い手術も数多く手掛けています。
平成29年度より、当院では「内視鏡外科センター」を開設することになり、当科もその主力分野として関節鏡手術による治療をさらに安心安全に行えるよう充実させていきます。
【リハビリについて】
当科における手術治療の最大の目標は、手術後も手術前の日常生活の活動が同じようにかつ痛み無く出来るようになることです。そのためには手術後のリハビリが重要であり、理学療法士による専門的なプログラムでリハビリを行います。その結果、人工関節置換術を受けたほとんどの患者様が、術後数ヶ月で術前と同じ生活が痛み無く出来るようになっています。また深部静脈血栓症や術後感染症などの合併症を極力減らせるように血栓症の予防薬や徹底した感染予防を計画的に行い、合併症の予防に配慮しています。また輸血の安全性を考慮し、可能な限り自己血輸血を行うようにしています。
当院は整形外科に関する厚生医療の指定医療機関であり、これにより人工膝関節・人工股関節手術を受ける場合の手術入院費用のご負担が軽減されます。費用、手続きなど詳しい内容に関しましては、医師もしくは受付までお問い合わせください。
【当院での足の外科領域の疾患に対する治療】
- 捻挫後に続いている不安定感、痛み、よく捻挫する(陳旧性足関節外側靭帯損傷)
- バレリーナの足首の後ろ側の痛み(足関節後方インピンジメント症候群・三角骨障害)
- 足の親指が外側に曲がっている(外反母趾)
- 立ち上がると土踏まずがペタっとなる(外反扁平足)
- 足首の変形・腫れ・痛み(変形性足関節症)
その他にも多くの足部・足関節疾患に対応しております。足の外科といっても、手術ではなく保存的な治療で
症状が改善できることも多いです。足の痛み、変形、歩行時の足の不安定感等、お困りの方はご連絡ください。