泌尿器科
主な対象疾患
概要
当院泌尿器科では患者さんに安全で質の高い医療を提供することを目標に掲げています。高齢化社会を迎え泌尿器科治療を必要とする患者さんの数は年々増加してきています。地域の中核施設として、すべての泌尿器疾患に対し対応できる体制を整えており、また患者さんのかかりつけ医(開業医)と連携し安心して受診していただけるように外来システムの改革を進めています。当科は医師4名にて診療に当たっています。診療の偏りはなく得意分野といえるものはありませんが、すべての泌尿器疾患に対して、少なくとも日本のスタンダードの治療をおこなうことができるものと考えています。
泌尿器癌
泌尿器癌は高齢者に多く、患者数は増加傾向にあります。一般的に早期癌に対しては手術および放射線治療をおこないます。進行癌に対しては化学療法をおこないます。化学療法は原則入院ですが、安定している場合は外来でおこなう場合もあります。また状況に応じて放射線治療もおこなっています。
腎癌、腎盂尿管癌
腎臓の悪性腫瘍は比較的希な疾患です。腎癌に対しては基本的には後腹膜鏡下腎摘除術をおこなっていますが、小さい癌に対しては後腹膜鏡下腎部分切除をおこない腎機能の温存に努めています。腎盂尿管癌に対しては鏡視下併用腎尿管全摘除術を施行しています。
膀胱癌
膀胱癌は表在癌と浸潤癌で治療方法が異なります。表在癌に対しては内視鏡的手術(TUR-Bt 経尿道的膀胱腫瘍切除術)を施行しています。また上皮内癌に対してはBCG膀胱内注入療法をおこないます。浸潤癌に対しては腹腔鏡下膀胱全摘除術を施行しています。腹腔鏡手術は出血量が少なく、術後の回復スピードが早く、術後合併症が少ないなどの利点があります。膀胱全摘除術後の尿路変更は回腸導管造設術(尿路ストーマ)が多いです。また適応は限られますが、新膀胱造設術は患者さんのQOLを向上させることができます。
前立腺癌
早期癌に対しては腹腔鏡下前立腺全摘除術を施行しています。開腹手術と比較すると出血量が少なく入院期間が少ない等のメリットがあります。また以前から術後尿失禁を少なくするよう術式の工夫をおこなっています。
手術を選択されない場合は放射線治療、ホルモン治療、PSA監視療法などがあります。前立腺の放射線治療には多くの種類がありますが、当院では2022年10月から最新のトモセラピーをおこなっています。
前立腺肥大症
薬物療法と必要に応じて手術療法をおこないます。手術は経尿道的手術をおこないますが、最近は生理食塩水で使用できる機器を導入し合併症が少なくなっています。
腎不全
血液透析は腎臓内科と連携し、維持透析をおこなっています。
小児泌尿器疾患
停留精巣、真性包茎、交通性陰嚢水腫、膀胱尿管逆流現象などの手術をおこなっています。
尿路結石症
尿管結石の患者さんは増加傾向にあります。当院では平成4年から体外衝撃波結石破砕術(ESWL)をおこなっています。また経尿道的レーザー破砕術(TUL)、経皮的結石摘出術(PNL)などの手術もおこない、各種結石に対して手術を行っています。
尿失禁、骨盤臓器脱
骨盤臓器脱は骨盤底筋支持機構の破綻が誘因となり膣から膀胱、子宮、直腸などが脱出する病気で、膀胱脱が最も多いです。当科では日本製のメッシュを用いて脱出臓器を支えるTVM手術をおこなっています。
尿失禁には腹圧性と切迫性があります。腹圧性尿失禁は女性の3割に発症し、咳をしたときに尿漏れが起こる病気です。薬もありますが、根治的には低侵襲なTVT手術を行っています。
手術実績
手術件数はこちらから
泌尿器科全般(排尿の異常、男性外性器の異常など)に対し救急の場合は24時間対応いたします。かかりつけ医がおられる場合は、まずかかりつけ医に相談の上紹介状をご持参下さい。
なお市内には泌尿器科の専門医として本永泌尿器科医院(山口市穂積町)、ながた泌尿器科(山口市大内御堀)、山川泌尿器科(山口市小郡下郷)があり、当科と連携していますので、まずそちらに受診されることをお勧めいたします。
泌尿器科全般をみています。紹介された患者さんには可及的迅速に検査、診断をし、治療するように心掛けています。また、泌尿器科で24時間待機医師を決めていますので、緊急の場合には必ず対応させていただきます。
基本的には入院の治療に重点を置いていますが、泌尿器科的にお困りの患者さんがございましたら、いつでもご相談ください。
医師紹介
矢野 誠司 第1泌尿器科部長
日本泌尿器科学会;専門医、指導医
泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本がん治療認定医機構;がん治療認定医
手術支援ロボット ダ・ヴィンチSi、Xiコンソール医
小澤 翔 泌尿器科副部長
日本泌尿器科学会;専門医
須賀 昭信 泌尿器科医師
日本泌尿器科学会;専門医、指導医
日本透析医学会;認定医、指導医
日本腎臓学会;専門医
山口大学臨床教授