麻酔科
概要
当院麻酔科は平成4年(1994年)に山口大学麻酔蘇生学教室から派遣され開設されました。現在も同教室の関連病院で、山口大学からバップアップを受けており、週5回、毎日1人の麻酔科医が診療支援に来ています。また日本専門医機構の麻酔科専門医研修制度では、山口大学医学部付属病院麻酔科専門研修プログラムの研修施設の一員です。
当院では2019年3月に電子カルテが導入され、手術を受ける患者さまの情報収集が格段に容易になりました。手術部門システムは富士フィルムメディカルの「Prescient OR」をスケジューリング、術前診察記録、麻酔記録、術後診察記録に用いて安全な麻酔に繋げています。
診療内容
現在常勤は4名で、山口大学からの1名を加えて5名で日々の麻酔を行っています。午前に1名が術前問診・診察を行っているため、麻酔科が管理する手術は原則として午前4列、午後5列で、時間外や休日にも緊急手術に即応できるよう24時間体制で待機をし、年間2,200~2,400例程度の麻酔を行っています。
麻酔はほぼ手術室で行いますが、必要に応じて検査室等での麻酔も担当します。全身麻酔が約8割で、必要に応じて硬膜外麻酔や神経ブロックを併用しています(全身麻酔の1/4程度)。約1割が脊髄くも膜下麻酔、残り約1割が帝王切開術の脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔です。
手術前日の午前に手術室内の診察室で麻酔科医による術前問診・診察を行っています。前日が休日の場合は最も手術日に近い平日に行います。麻酔を行う上で問題になる術前合併症(糖尿病や肺気腫、心不全等)があるために主治医から相談された場合には、手術が決まった時点で診察させていただくこともあります。
当院には特定集中治療室、いわゆるICUはありませんが、2022年10月にハイケアユニット(HCU)が8床となり、術後の急性期の患者さんを受け入れています。そのためHCUに麻酔科が関与することが増え、朝のカンファレンスにも参加しています。
その他、救急外来や病棟での緊急の気管挿管や中心静脈カテーテル留置を行っています。
診療実績詳細
【合計】
麻酔管理症例数 | 2,313 |
【麻酔法分類】
全身麻酔(吸入) | 1,131 | 硬膜外麻酔 | 3 |
全身麻酔(TIVA) | 419 | 脊髄くも膜下麻酔 | 97 |
全身麻酔(吸入)+硬・脊、伝麻 | 441 | 伝達麻酔 | 0 |
全身麻酔(TIVA)+硬・脊、伝麻 | 74 | その他 | 2 |
脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(CSEA) | 146 | 合計 | 2,313 |
【手術部位分類】
開頭 | 15 | 頭頸部・咽喉頭 | 335 |
開胸 | 35 | 胸壁・腹壁・会陰 | 241 |
心臓・大血管 | 0 | 脊椎 | 5 |
開胸+開腹 | 1 | 四肢(含:末梢血管) | 632 |
開腹(除:帝王切開) | 888 | その他 | 9 |
帝王切開 | 153 | 合計 | 2,313 |
※腹腔鏡・胸腔鏡も該当する手術部位に含みます。
【経験必要症例分類】
胸部外科 | 35 | 帝王切開 | 150 |
脳神経外科 |
35 |
小児(6歳未満) | 57 |
心臓血管外科(1群) | 0 | ||
心臓血管外科(2群) | 0 | 合計 | 253 |
※日本麻酔科学会の分類による
医師紹介
伊藤 誠 院長補佐・第一麻酔科部長
日本麻酔科学会;麻酔科専門医、指導医
麻酔科専門研修指導医
日本集中治療医学会;集中治療専門医
守田 季郎 第二麻酔科部長
日本麻酔科学会;専門医
麻酔科専門研修指導医
棟久 晃司 麻酔科医師
麻酔科標榜医
外来診察担当表
月・水・金:伊藤
火:守田
木:守田
患者さまへのメッセージ(お願い)
術前の禁煙は大事です。喫煙により肺炎や傷の感染などの合併症を起こす可能性が高くなります。手術が決まり次第、禁煙をお願いします。他にも治療中の疾患(高血圧、糖尿病、喘息、肺気腫など)があれば、かかりつけ医による治療をしっかり続けておいて下さい。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は5類相当となりましたが、感染した状態での手術・麻酔は体に負担となります。また、症状が消失した後も数週間は麻酔を控えた方が良いと言われます。これはインフルエンザや普通の風邪などの既存の感染症でも同じです。手術予定となったら、人込みや大人数が集まるイベントなどは避け、感染症にかからないように心がけてください。よろしくお願いします。